第89章 満点だ

田中未菜は眉をひそめた。

「田村のあいつ、頭おかしいんじゃない? しつこすぎ……」

言い終える前に、橘結衣がそのままステージへ上がっていった。

背筋の伸びた後ろ姿。足取りも速い。

橘結衣は机の前にすとんと腰を下ろすと、ペンを取って即座に解き始めた。

あれだけ疑われたうえ、全校の前で解答を強いられて平静でいられるはずがない。

もともと問題を解くのが好きではないのに、いまさら試験用紙まで書かされる。苛立ちは限界で、顔には露骨な不機嫌さが貼りついていた。さっさと終わらせて、この茶番を終わらせたい。ただ、それだけ。

グラウンドは水を打ったように静まり返った。

全員の興味は一点に集まっ...

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